対談記事

2016年7月

ソニーエンジニアリング 新卒採用戦略 モノづくり発想で採用する理想工場の新たな担い手

画期的な商品で、世界を驚かせてきたソニーグループ。その「モノづくり」の魂である設計を担うエンジニア集団が、ソニーエンジニアリング株式会社です。アークコミュニケーションズでは、同社が7年ぶりに行った新卒採用のためのWebサイトとパンフレットの制作をお手伝いしました。
そこで今回は、中村年範社長をはじめ、採用活動の最前線を走る3名の方をゲストにお迎えし、人材戦略について伺いました。モノづくりに欠かせない高い技能を持つ人材をいかに採用し、育てるのか、その秘密に迫ります。

左より青木、佐藤、大里、中村様、一木様、間宮様

プロフィール
中村 年範 ソニーエンジニアリング株式会社 代表取締役社長
一木 太郎 ソニーエンジニアリング株式会社 人事企画部 人事2課 統括課長
間宮 麻美 ソニーエンジニアリング株式会社 管理部 広報グループ
大里 真理子 株式会社アークコミュニケーションズ 代表取締役
佐藤 佳弘 株式会社アークコミュニケーションズ 執行役員 Web&クロスメディア事業部長
青木 崇敏 株式会社アークコミュニケーションズ Web&クロスメディア事業部 Webディレクター

ソニー製品の「モノづくり」を担う
設計専門のエンジニア集団

大里:ソニー設立70周年、おめでとうございます。まずは、ソニーエンジニアリングさんはどんな会社なのか、ご紹介いただけますか。

中村様:ソニーエンジニアリングはソニーグループ唯一の設計専門会社で、ソニー製品のデザインから工場の立ち上げまで、モノづくりの全プロセスに携わり、様々な設計を行っています。みなさんに身近なモバイルやデジカメなどはもちろん、放送機材や医療機器などの業務用製品も、さらには自社ブランド製品も開発しています。

大里:ソニーの本業であるエレクトロニクスを支えているのがソニーエンジニアリングさんですね。今年、7年ぶりに新卒採用を再開されましたが、これは新たに就任された中村社長のご判断ですか? それとも以前からあった計画ですか?

中村様:会社として新陳代謝を加速させるために、僕が判断しました。若い人が入ると会社の活力になりますし、若手を早く入れて育てることで、人手不足を解消したいという思いもありましたので。

大里:人々の生活に密着するBtoC製品のことを考えると、若者のニーズを満たす発想は、同世代のエンジニアから出てくるのかもしれませんね。

モノづくり精神を活かした攻めの採用
学生ターゲティングという発想

中村様:高専生、大学生、院生から満遍なく採用したいのですが、リクルート活動に力を入れているのは、高専生です。高専は授業が実践的ですし、学生もしっかり勉強しています。

大里:高専生は引く手あまたですよね。そんな売り手市場の高専生に選ばれるために、どのような活動をされているのですか?

一木様:高専生は「商品設計をやりたい」という思いを持っていると想定して、「ソニーエンジニアリングに入れば、商品設計のエンジニアに必ずなれますよ」と学校訪問でお伝えしています。ソニーエンジニアリングは社員数約500人、その9割がエンジニアです。
先生からのご要望を受けて、企業見学会を実施しました。他の企業は会議室で人事担当者が話をするだけらしいのですが、我々は高専生の心に響くようにエンターテインメントの要素を盛り込みました。エンジニアが実物を持って説明したり、高専のOB・OGが説明したりしました。

中村様:学生からは住居に関する希望が多かったので、寮を用意することにしました。

大里:新たに用意したんですか? それは思いが学生に伝わりますね。

一木様:中村は寮について、全面的に賛同しました。また、学校訪問では、北海道は○○部長、東北は○○部長と、地区ごとに担当を決めて訪問するよう、業務の一環として推し進めたのです。中村自ら先頭に立って足繁く学校訪問をいたしました。社長が学校訪問をすることに学校側も驚いていましたが、こうして関係を築くことで、優秀な学生を紹介していただけました。

中村様:現場に足を運ぶことで気がついたこともあります。学校には、採用パンフレットが入った何百社もの封筒が届きます。パンフレットは封筒に入れられたまま、箱に詰めて並べられるんです。一般の資料送付用の封筒では、他と差別化されない為、なかなか手に取っていただけません。そこで、オリジナルの封筒をつくりました。素材を段ボールのようなしっかりしたものにして、他の封筒より一回りサイズを大きくし、並べた時に飛び出るようにしたんです。そこにソニーのロゴをプリントして、色もブルーにして目立たせました。こうすれば、皆さん、手にとってくれるじゃないですか。

間宮様:アイデアは社内から出ました。製品を梱包する包装設計の部署が社内にあり、その部署の担当者がデザインしました。

佐藤:おもしろいですね。採用活動もターゲティングしていらっしゃることには驚きました。自社のニーズに適う学生をマーケットから抽出し、高専生にターゲットを絞ったうえで、彼らが希望するものを提供する――この発想は、まさにモノづくりですね。

Webサイトの刷新
社内のモチベーション喚起のプラスが

大里:お話を伺っていると、全社一丸となって採用活動に取り組まれたことが伺えます。私たちがお手伝いした採用サイトとパンフレットがなくても採用活動に支障はなかったのですね......(笑)。

一木様:いえいえ、「かっこいいHPができた!」という声が、社内からあがったんですよ。

中村様:採用活動をはじめるときに、社内で口走っちゃったんですよ。「これまでのWebサイトじゃダメだ、こんな堅苦しいのじゃ学生が来ない。新卒採用のところだけでも、すぐになんとかしなさい」って。

間宮様:私たちは、"採用情報ページ"の作り方から伺うことになりました。7年ぶりの新卒採用でしたので、今時の学生に響くサイトの知見もまったくありませんでした。アークさんは新卒サイトの流行や学生のスマホ閲覧率を踏まえ「だからこんなサイトがいいですよ」と提案してくださったので、本当にありがたかったです。

佐藤:今の学生はパソコンを持っていないので、スマホで快適に見られるサイトじゃないと見向きもしてくれないんです。そうした状況を踏まえてモバイルに最適化したWebサイト設計をしたうえで、御社らしさを表現するデザインを練って提案いたしました。
メインデザインに、人が集まって上向きの矢印を形づくるイラストを採用したのは、ソニーエンジニアリングさんは「人が一番大切な会社」だと感じたからです。ソニーエンジニアリングさんは全社員が同じ場所にいるわけではなく、ソニーさんや海外の現地法人に入って設計をしている方がいらっしゃいますよね。離れた場所でも個人の力を発揮できるのは、チームのバックアップがあるからこそ。個人力とチーム力で未来に突き進む、そんなイメージを表現しました。

青木:ソニーエンジニアリングさんにはデザインに詳しい方がいらっしゃるので、正直ハードルは高かったのですが、具体的にご希望をおっしゃっていただけたので、非常にいいものができたと思っています。

中村様:おかげさまで、既に内々定が2ケタ出ています。正直、ここまでいけるとは思っていなかったので、驚いています。今年は一人でも採れればいいと思っていたんですよ。

大里:それは素晴らしいですね。