スキースロープスタイルの説明

スキーで観客を魅了する競技

スキースロープスタイルは、タイムではなく採点で順位を競うショーエンターテイメント性の強い競技です。
スキーで滑降しながらコースの上から下まで連続的に設置されたジャンプ台やジブアイテムと呼ばれる障害物でアクロバットな技を行い演技のポイントを競います。またモーグル競技とは違い、コブ斜面は滑りません。技の難易度・着地の綺麗さ・独創性が採点の基準です。2014年のソチオリンピックから正式種目として採用されました。

世界トップレベルの大会においては1つのジャンプ台の大きさは、25Mプールを軽く飛び越えるサイズで、その大きさのジャンプ台を3~4つ連続で飛んで試技をします。
演技途中で着地が乱れてしまうと、失速して次のジャンプを失敗してしまいます。またジャンプ台を飛ぶスピードが速すぎても着地ゾーンを越えてしまい、安全に着地ができません。技の難易度だけではなく、風や雪質をみてスピードコントロールをする感覚や着地の綺麗さが大きなカギとなります。

後ろ向きからも滑ったり飛んだりできるスキー(ツインチップスキー)を使用するため、技のバリエーションが豊富で色々な技が繰り出されるのが特徴です。

もともとは1990年代にアメリカで生まれたスポーツで、スケートやスノーボードのようなショーエンターテイメント性の要素がとても強いスポーツですので他の競技では評価され辛い独創性が大きく評価されるのです。例えば、他の選手とは違う技をしたり独創的なコースの使い方をしたりするとポイントが大きく伸びます。そういったエンターテイメントの要素が強く、少年の心を掻き立てる様なワクワク感もこのスポーツの醍醐味です。

大会によってコースは全く異なるので選手は会場に到着するまで、どのくらいのサイズのジャンプ台がいくつあるのか、どのようなジブアイテムがあるのか、などは一切知らされません。
会場に到着してから本番までの間で、どのコースを滑ってどのアイテムを使いどのような演技をするかを判断します。
スキー技術だけではなくこういった多くの要素を兼ね備えた競技だからこそ北米ではスキースロープスタイル競技のトップ選手はKing of skiingと呼ばれているのです。

ルール・採点方法

  • コースは大会によって大きく変わるため、現地で初めて大会の演技を組み立てます。
  • 予選2本、決勝2本を滑ります。
  • 一人ひとり順番にスタートして演技を行います。
  • 2本中、良い得点1本を採用して全体の順位を決めます。
  • 技の難易度・着地の綺麗さ・独創性でジャッジを行います。タイムは採点には入りません。
  • 最近の主流はビデオジャッジで、各ジャンプやジブアイテムに取り付けられたカメラからの映像を審査員が見て採点します。
  • コース内に設置されたジャンプ台を飛ばなかったり、ジブアイテムを使わなかったりすると致命的な減点になります。

用具

  • スキー(ツインチップスキー)
  • 一般のスキーと大きく違う点は後ろ向きでも滑れるようにスキーの両端がそりあがっているという点です。これにより後ろで滑ることはもちろん飛んだり着地したりする事も可能になります。またスキーの長さについては自分の身長ほどの長さを使うのが一般的です。

  • ウェア
  • ダンスのように常に周りから見られるスポーツなので、カッコよくカジュアルなウェアを選ぶ選手が多いです。大会で服装についての規定がないのでオシャレに個性を出す選手が多いのも見どころの一つです。

トリック(技)

よくスポーツ中継で長いトリック名を耳にすることがありますが、トリック名は基本的に5つの要素に分解することができ、それらは技の動きを表しています。
ここでは2つのトリックを例に説明します。

レギュラー・レフトサイド・ダブルコーク・1260・ミュートグラブ

  • レギュラー:前向きからジャンプ台を飛ぶこと
  • レフトサイド:左回転
  • ダブルコーク:回転軸の名前。縦方向に2回転する軸
  • 1260(トゥエルヴ・シックスティ):縦方向と横方向を合わせた回転数。1260度(3回転半)
  • ミュートグラブ:板を掴む動作の1つ。ミュートグラブは右手で左板の前方外側を掴む、又はその逆

※ グラブは掴む場所によって名前が変わり、スタイル(独創性)を決める大きな要素の1つです。

レギュラー・レフトサイド・ダブルコーク・1260・ミュートグラブ

スイッチ・ライトサイド・ミスティー・1080・ジャパングラブ

  • スイッチ:後向きからジャンプ台を飛ぶこと
  • ライトサイド:右回転
  • ミスティー:回転軸の名前。身体を前方向へ投げ出すような軸
  • 1080(テン・エイティ):回転数。1080度(3回転)
  • ジャパングラブ:ジャパングラブは右手で左板中央の内側を後方から掴む、又はその逆

ロデオ・540・ジャパングラブ

スキースロープスタイルは、レフトサイド(左回転)、ライトサイド(右回転)、スイッチ(後向き)などの様々な要素を組み合わせたトリックが飛び交う、エキサイティングな競技です。

ハーフパイプやスノーボードスロープスタイルも同様に、技の名前がつけられています。

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