翻訳発注者心得その2 翻訳開始前の準備に手間をさく|翻訳会社ブログ

翻訳会社アークコミュニケーションズのブログ「翻訳発注者心得その2 翻訳開始前の準備に手間をさく」

翻訳発注者心得その2 翻訳開始前の準備に手間をさく

前回のブログの冒頭で、「翻訳の品質は、実は翻訳する前にすでに大半が決まってしまいます」と申しました。その大切な要素の1つが「最適な翻訳者のアサイン」で、前回のブログはこれについて解説しています。今回は、2つ目の要素についてお話ししたいと思います。それが、「翻訳開始前の準備に手間をさく」ということです。

こうした準備作業は、お客さまに負荷をおかけするので敬遠されやすい側面も持っています。しかし、一度準備しておけば使い回しが効くケースも多くありますし、なにより翻訳品質を上げる効果がありますので、多少のお時間をいただいてひと手間かけてみてください。

3つの「ひと手間」

では、その「ひと手間」とは何でしょうか。

(1)参考資料を用意する

(2)用語集を作る

(3)スタイルガイドを作る

の3つです。それぞれ、最初は負担のかかる作業となりますので、時間を見つけていただきながら、少しずつ準備することが現実的かもしれません。

こうした資料を事前に準備していただけると、翻訳品質を向上させることができますが、特に複数の翻訳者による翻訳品質を大きく上げることができます。お客さまにとって、翻訳自体の品質も大切ですが、もっと気になるのは「翻訳のばらつき」。そのばらつきを抑える3種の神器が、これら、参考資料と用語集、スタイルガイドです。

では、お客さまにとって負担の軽い方から順にその内容をご説明いたします。

(1)参考資料を用意する

「2割の時間で翻訳し、残り8割の時間は調査・見直し」と言われるほど、翻訳者は多くの時間を翻訳以外に費やしています。こうした調査時間を少しでも軽減し、その分を翻訳の品質向上にかけられれば、よりお客さまの満足度を上げることができます。

中には、インターネットなどおおやけには手に入らない資料があるかもしれません。そうした原文に関する参考資料――ホームページ、カタログ、書物、同業他社情報など――を翻訳会社、すなわち翻訳者に提供することは、品質向上のみならず、納期の短縮にも役立つことでしょう。

(2)用語集を作る

御社の取締役の東一郎さんが「Azuma」さんなのか「Higashi」さんなのか、また、原文に盛んに出てくる部署名の「HKB」が何を意味するのか(ちなみに某社では品質管理部のことだそうです)、社外の人間にはなかなかわかりません。

こうした固有名詞や社内用語、専門用語をまとめた"用語集"を作ることは、翻訳者の調査時間を短くするだけではなく、訳語のばらつきを抑える効果もあります。また、お客さまと翻訳会社の間で言葉を統一することもできますので、ぜひ作成のご検討をお願いしたいと思います。

ただ、あまり熱心に作ると、あっという間に語数が増えてしまいます。そして数が多過ぎると、翻訳者が覚えておける限界を超えてしまいます。また、文脈の中で、用語集と違った翻訳をした方が良い場合もありますので、逆に用語集が翻訳の足かせになってしまうこともあります。できるだけ必要最小限の用語で構成するように配慮した方が良いでしょう。

どうしても用語集を作成する時間が取れないのであれば、翻訳会社に作成を依頼することもできます。その場合は有料となるケースがほとんどですが、どの翻訳会社もきっと引き受けてくれるはずです。

(3)スタイルガイドを作る

「ですます」調で訳すのか「である」調で訳すのか、どういう時にカタカナや英字を使うのか、半角や全角の使い分けやカッコ・中黒など記号の使い方はどうするのかなど、表記の決まりごとを集めたのが"スタイルガイド"です。こうしたスタイルガイドをお持ちのお客さまはなかなか少ないのが現状。ですが、翻訳会社との仕上がりのイメージの共有にも役立ちますので、翻訳発注の機会にお作りになっておくのが得策と思います。

実はこのスタイルガイド、翻訳以外にもなかなか役に立ちます。例えば、一から文章を作る時に便利。マニュアルやプレスリリースなどを作る時にも役立ちますが、特にホームページのコンテンツを書き起こす際に重宝します。ホームページは複数の担当者が作るのが一般的ですので、全体のトーンを統一させるためにもスタイルガイドは必須となります。文体や表記の基本的なルールを揃えただけで、ホームページの見栄えはグッと良くなります。

スタイルガイドはお客さまが一から作る必要はなく、例えば、翻訳会社が持っている汎用的なスタイルガイドを流用しても良いと思います。ただし、プレスリリースの作成など社内ライティングが多いのであれば、独自のスタイルガイドを作ることは、御社のブランディングのためにも価値があります。新聞社や出版社が使っている表記ルール(例えば共同通信社の『記者ハンドブック』など)を参考に作るのがよいでしょう。

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