翻訳発注者心得その8 翻訳支援ソフトについて知ろう|翻訳会社ブログ

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翻訳発注者心得その8 翻訳支援ソフトについて知ろう

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翻訳の世界には、一度翻訳した内容を記憶することで、人が行う翻訳作業をサポートしてくれる「翻訳支援ソフト」というツールがあります。一般的な知名度はあまり高くありませんが、使い方によっては費用が抑えられたり納期短縮を図れたりするなどのメリットがあることから、翻訳発注の際に翻訳支援ソフトの利用を希望されるお客さまが増えてきています。

今回は、翻訳作業を発注する際の検討材料としていただけるように、翻訳支援ソフトの概要や活用方法、注意点についてお話しします。

翻訳支援ソフトとは

翻訳支援ソフトとは、原文と翻訳した訳文を一度ペアリングさせた上でデータベース化し、次に同じような原文を翻訳する際にデータベースから訳文を抽出して再利用するツールです。翻訳の記録を残すという性質から「翻訳メモリツール」とも呼ばれます。

原文を単語レベルで翻訳してコンピュータが文章をつくる機械翻訳(自動翻訳)に対して、翻訳支援ソフトの場合は人が翻訳する点が大きく異なります。元々は、機械翻訳の精度が高くなかったために生まれたツールで、あくまで人の手による翻訳をサポートする目的で使われます。

翻訳業界では「Trados(トラドス、正式名SDL Trados Studio)」というソフトウェアがシェアNo. 1で、ほかにも「SDLX」や「Transit」といったソフトウェアが存在しています。最近は「Memsource」のように、ブラウザ上で利用できるサービスもいくつか登場しています。

翻訳支援ソフトの利用シーン

翻訳支援ソフトが有効なのは、「マニュアル」や「仕様書」あるいは「就業規則」などといった、初版や「バージョン1.0」をベースとして、その後、改定を行っていく類いのドキュメントや、株主総会資料/取締役会資料/決算資料のように定期的に同じ内容構成で作成するドキュメントの翻訳作業などです。

例えば年に1度、決算資料を翻訳するプロジェクトの場合。初回の作業では原文すべてを人の手で翻訳する必要がありますが、この時に翻訳支援ソフトを使い、原文と訳文をペアリングしてデータベースに保存しておきます。すると翌年以降、新たな決算資料を翻訳する際に、前年の翻訳プロジェクトで保存しておいた原文と訳文のペアリングデータを利用することで、効率的に翻訳を進められるようになります。また、前回までの訳文と語句やスタイルの統一がとれ、複数の翻訳者が翻訳してもばらつきを防げるために、品質の向上にもつながります。

翻訳支援ソフトを使う上での注意点

一方で、翻訳支援ソフトを使う際に注意すべき点もあります。それは、翻訳支援ソフトを使う場合には最初に「データベースを作成する」という作業が発生するために、どうしてもその分の費用と納期がかかる点です。そのため、繰り返し利用する機会があまりなかったり、あるいは使いまわしが効きづらかったりするドキュメントの翻訳プロジェクトには、翻訳支援ソフトはあまり有効ではありません。

翻訳支援ソフトにはさまざまなメリットがある一方で、すべての翻訳プロジェクトに有効というわけではありません。ですから、翻訳作業に翻訳支援ソフトを使うかどうかは、発注者の方がご自身で判断するより、翻訳会社と相談しながら決めたほうが良いでしょう。

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