失敗しないWebサイトリニューアルのポイントとは?~自社サイトリニューアルを振り返って~
July 29, 2025
リニューアルの目的
今回のリニューアルは公開のタイミングこそ20周年に合わせたものの、その目的はただ新しくするだけではありません。私たちのページはこんな課題を抱えていました。
- デザインが古い
- 紹介しているサービス内容や実績が実際のサービスからずれている
- 情報の整理が甘く、どのページを見ればよいのか分かりにくい
- サイト内の回遊性が低い
前回サイトを作った時から長い時間が経過し、実際のビジネスからの乖離が多く見られました。そのため、ただデザインやコーディング技術を新しくするだけでなく、コンセプトの立案からリニューアルを進めることにしました。
コンセプトの立案―私たちは何者?
サイトリニューアルのコンセプトを提案するときに私たちが行うことがあります。それは、そもそもお客様はどんなビジネスを展開されていて、世界に何を伝えたいのか、ということを明らかにすることです。つまり「本質」を明確化することがとても重要です。
しかし、自社でそれを考えることは難しい作業でした。社員ごとに考えている「アーク像」は少しづつ異なっていたのです。「Web制作会社」と考える人、「紙や動画もアークの重要な柱だ」と考える人、それをも越えた「総合広報ツールの提供」と考える人...。Webの制作に移る前に、「私たちは何者で、お客様にどう認識してほしいのか」ということを何度も議論しました。
時間はかかりましたが、一つの結論が出ました。
私たちのコアは会社理念にある通り「お客様の思いや本質を、わかりやすく世界に伝える」で、メディアはあくまでその表現手段という認識を改めて確認したのです。
サイトの設計
では、お客様に「わかりやすく伝える」には、どのような設計が必要でしょうか。重要なのは、トップのすぐ下の階層を整理することです。私たちのサイトはあくまで「アークコミュニケーションズ」の配下にあるため、「会社情報」「採用情報」などは必要ありません。そのため、思い切って以下のようなシンプルな構成にして、ユーザーが確信をもってサイト内を移動できるようにしました。
- サービス
- 制作実績
- ブログ
旧サイト▼
新サイト▼
そして、サービスをどのように整理するかはとても重要です。弊社はここ数年でサービスの幅が広がっており、それを活かしてユーザーが様々なサービスを一覧できるように、かつ整理してすっきりと理解できるようにグルーピングしました。さらに、それぞれのサービス名についても社内での通称ではなく、お客様にとってわかりやすい名前になるように工夫しました。
サイトのデザイン
設計をカタチにするのがデザインの段階です。サービスをどう整理して見せるかが今回の一番の課題でしたが、こんな形にデザインを行いました。
サービスを4つのカテゴリーに分け、小分類は横線を引いて区切っています。また、羅列になってだらだら続きがちなエリアですが、イラストとアクセントカラーを効果的に使うことでワクワクしながら閲覧する体験を作っています。
また、「本質を伝える」という部分をトップビジュアルで表現しました。
キャッチは「価値を、カタチに。」という少し遊び心のあるものにしました。そして、あふれるアイデアをイメージした風船が扉から出てくる画像の上に文字がかかると、黒が白に変化するギミックを採用しています。こうすることで、キャッチの意味をビジュアル的にも表現しています。
自社サイトリニューアルを通して学ぶWeb制作で本当に大切なこと
実は、このデザインに決まる前にコンセプトに先行してデザイン案を作成していたのですが、結局のところボツになりました。コンセプトがなかったので、社員が考える「アークのWeb事業部」から離れてしまったのですね。
Webサイトの制作やリニューアルで実は一番重要なフェーズは「コンセプトの立案・目的の明確化」であり、そのために大切なのは「ビジネスや事業の本質を理解すること」です。そのコンセプトをプロジェクトメンバーで共有できれば、迷ったときの判断基準として立ち戻ることができます。
とはいえ、コンセプトを考えるのは難しいもの。弊社では多くのWebサイトに企画・プランニング段階から携わっており、数々のコンセプトのご提案や作成のお手伝いを行ってきました。Webサイトのリニューアルや新規作成を予定されていましたら、ぜひお気軽にお声がけください!