代表挨拶

2024年1月

あなたの第二外国語はなんですか?

私の学生時代には、「理系なら第二外国語はドイツ語が有用だ」と言われており、リケ女だった私は、迷わず大学での第二外国語はドイツ語を選択しました。そして、英語にはない冠詞等の格変化を、1か月かけて覚えたものです。
(der des dem den....die der der die...ドイツ語を習った方には懐かしい響きでしょう?)

ドイツは大好きな国ですし、アメリカ留学中にドイツ人とも仲良くなれたので、ドイツ語を学んで本当に良かったと思いました。

さて、そのアメリカ留学中の最後の学期に、ドイツ語の授業をとりました(アメリカ人にとっては第一外国語ですが)。アメリカに2年いても、アメリカ人と対等にディスカッションをしているとは言い難かったので、日本の大学で2年間習っていたアドバンテージを生かして、ドイツ語でアメリカ人をこてんぱんにしようと思ったわけです(笑)。しかしながら、最初の授業で私の野望は木っ端みじんになりました。その、アメリカ人のドイツ語の先生の言葉は、今でも忘れられません。

「ドイツ語には、英語と違って名詞の現れる位置によって、冠詞がder,des,dem,denのように格変化がある。名詞も女性・男性・中性とあり、それぞれ格変化が違う。英語と違ってとても複雑だ。しかし、不安に思う必要はない。小さい声でdemって言ったらそれで通じるから。」

私の大学1年生の最初の1か月で頑張って覚えた努力を、その先生は簡単に吹っ飛ばしたわけです(笑)。そして、すべてdemで代用してくるアメリカ人に、あっという間にドイツ語会話でも遅れをとってしまいました。大変悔しい思いをした私は、卒業後に6週間ドイツに語学留学をし、その勢いで行った東欧旅行もドイツ語で乗り切りましたが、今となってはとても楽しい思い出です。

そんな私も今は翻訳会社を経営しているわけですが、プロとしてお金をいただいて翻訳する以上、当然冠詞を一つで済ませるわけにはいきません。
「神は細部に宿りたもう」といいますが、細部まで手を抜かず心を込め、それでいて主たるメッセージが見失われないよう、言語と日々格闘しているのが、アークコミュニケーションズでも大変お世話になっている翻訳者のみなさんです。

そんな翻訳者の方たちに、今年も"Translator of the Year"を贈呈しました。アークコミュニケーションズでは創業以来、その年にご活躍いただいた翻訳者に"Translator of the Year"という賞をお贈りし続けており、今回で18回目となりました。依頼の多い日英や英日翻訳者の受賞が圧倒的に多くはなっておりますが、多様化する世の中、他の言語の受賞者もこれから増えていくことだろうと、楽しみにしています。

今年もよろしくお願いいたします。

代表取締役 大里真理子