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社員インタビュー
2026/06/17

社員インタビュー 翻訳事業部 坂野

社員インタビュー 翻訳事業部 坂野

クルマやゲームをきっかけに英語に親しみ、さらにはスペイン語の学習まで、自分の「好き」に没頭していた語学マニアの坂野。
アークコミュニケーションズ入社後は、その志向と探求心を武器に翻訳プロジェクトマネージャーとして励んでいます。
2024年度には売上、取り扱い案件数ともに全社トップという見事な結果を残しましたが、本人は「数字見て、自分が一番びっくりしています」と謙虚な様子。自身を冷静に見つめ、弱点をも強みに変える真摯な姿勢が、社内外での信頼を集めています。
そんな彼に、自身のマインドセットから生成AI時代への適応まで、じっくり語ってもらいました。


お客様の本質的な想いを見極め、一歩先の提案を

-現在、担当している仕事について教えてください。

新卒で入社してからこれまで翻訳プロジェクトマネージャー(PM)をしています。仕事内容を一言で表すと、「翻訳をしてほしいお客様と翻訳者をつなぐ司令塔」です。具体的には、「こういう読者に向けて、この翻訳に気をつけてほしい」「これくらいの納期で」というようなお客様からのさまざまな要望に合わせて、翻訳者選びや指示内容の決定、予算・スケジュール立てなど、プロジェクト全体を設計するのがメインの業務になります。

お客様の要望と翻訳者のできる内容に溝が生じることも珍しくありません。そんな時に、両者にとってベストな提案......お客様も満足し、翻訳者も仕事がしやすい「橋渡し」......を考える役割でもあります。PMの仕事次第で最終的な翻訳の品質が変わるんです。そうした影響力のある仕事である点に、やりがいと面白さを感じていますね。


-責任あるポジションですね。特に意識していることはありますか。

最近特に意識しているのは、「求められたものを提供するのはあくまで『最低限』の責任である」ということです。お客様もまだ言語化できていない本質的な想いまで掘り起こして、さらに良い提案をすることが、PMのあるべき姿だと思っています。

例えば先日ある案件で、同じ部署で働く2人の方から別々に依頼を頂きまして。最初は別案件として進める予定でしたが、中身を読み込むうちに、これは同じ会議で使う資料ではないか?と気づきました。それなら個別に進めるより、1つのプロジェクトにまとめて同じ翻訳者をアサインしたほうが、コストも納期も抑えられ、品質も上げることができます、と提案したところ、大変喜んでいただけました。来たものを右から左へ流すのではなく、「もっと良くできるはず」と常に考える姿勢が実を結んだなと思います。

もちろん、こうした提案は最初から出来たわけではありません。日々の仕事を通じてお客様が多くの気づきを与えてくださったおかげです。そのすべてが自身の成長の糧になっており、お客様には大変感謝しています。


「好き」を追いかけ広がった世界

-新卒で入社して4年目とのことですが、大学時代はどのような学生だったのでしょうか。

千葉大学の文学部・国際言語文化学コースに所属していました。その名の通り、国際的な言語や外国語、外国の文化を勉強する毎日でした。 語学に興味を持ったベースには、幼稚園の頃からのクルマ好きがあります。クルマの名前って英語が多いんですね。そこから英語に慣れ親しんでいって。さらに学生になってからは、ゲーム好きが高じて英語版しかない海外のゲームに打ち込んだりしました。好きなものを追いかけるうちにいつの間にか英語が得意になっていて、「英語を活かせる場所で勉強したい」と思い語学の世界に進みました。

大学時代の第二外国語ではスペイン語を選びました。きっかけは高校2年生の時にしたニューヨークへの短期語学留学です。驚いたことに、街で聞いた言葉の7~8割がスペイン語だったんですよ。今後もしアメリカで暮らすようなことがあったら、スペイン語は避けて通れない、と思って学び始めたら、すっかり楽しくなってしまって。大学時代で一番時間を使ったのは、実はこのスペイン語の勉強でした。

-その探求心が今につながっているのですね。学業以外にはどんな活動をしていましたか?

私の大学生活はコロナ禍の最中で、なかなか思うように活動できなかったのですが、アルバイトでイタリアンレストランのホール接客や塾講師をやっていました。特にレストランの接客では、自分の「苦手」をかなり鍛えられました。接客って、お客様対応から配膳・下膳、厨房対応、会計、清掃まで、驚くほどマルチタスクなんですね。正直それまでマルチタスクは苦手だったのですが、アルバイトで大変鍛えられました。それが今いろいろと役に立っていると感じます。

-次に就職活動のお話になりますが、アークコミュニケーションズを選んだ理由を教えてください。

語学好きの延長で、就職活動は最初から翻訳業界に絞っていました。ほかにも何社か受けましたが、アークの面接は他の会社と明らかに違っていて。他社の面接では「新卒としてどうか」という目線で品定めされている感覚がありましたが、アークは「一人の人間として、あなたはどういう人なの?」と私個人に興味を持って話を聞いてくれました。「ここなら自分らしくいられる」と思い、入社を決めました。

また、翻訳品質の高さを売りにしている点もアークに惹かれた理由の一つでした。学業や趣味の中で翻訳の良し悪しを自分なりに考えることが多かったので、質の高い翻訳に携われる現場が良いと思っていたからです。 アークの基本理念の「Values」にある「10人より10回」という言葉への共感も決め手の一つですね。私も広く浅くの付き合いより、限られた人と親密な関係を築くほうが好きなので、自分の性に合っていると感じました。


「見える成果」に感じる喜び

-印象に残った仕事上の出来事はありますか。

大きく3つあります。
1つ目は、ダイヤモンド社の『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(DHBR)』の英日翻訳を担当した時のことです。生成AIに関する論文だったのですが、翻訳者の方がChatGPTの回答を「である」調で訳していました。私は普段からAIに触れていたので違和感があり、「『ですます』調のほうが実態に近いのでは?」とご意見したところ、すぐに修正してくれました。掲載された誌面を見た時は「世の中の役に立てた」と実感でき、とても嬉しかったです。

2つ目はそれに関連しているのですが、高校のころの担任の先生に担当した論文について話したところ、その日のうちにDHBRを買ってくれて、さらに生徒さんたちに「自分の教え子がこれに関わっている」と雑誌を見せびらかしてくれたそうで(笑)。自分の名前が論文に出たわけではありませんが、恩師が自慢してくれるような結果を残せたことが、その後の自信に大きくつながったと思います。

3つ目は、長年担当させていただいていた重要顧客であるIT会社の方が退職された時の話です。その方は全く違う業界に転職されたのですが、しばらくしてその新しい会社から「当時とてもお世話になったので、今回もアークさんにお願いしたい」と依頼をくださったんです。精一杯向き合って得られた信頼が、会社を超えて個人に残り、また新しいつながりが生まれた...信頼の結果が目に見える形で返ってきた瞬間でした。あの感動は忘れられません。


翻訳業として見る生成AIの未来

-生成AIの話がありましたが、坂野さんもAIアプリを開発していると聞きました。どのようなアプリでしょうか。

現在、3つほど開発しています。
1つはPDFから翻訳用原稿を作成する際に役立つツールです。PDFをそのままコピー&ペーストすると不要な改行が入ってしまいますが、生成AIに文章の意味を理解させて不要な改行を判定し、自動で整形するというものです。
2つ目はスキャンされた画像やPDFからの文字起こしを自動化するツールです。
3つ目は、私たちが普段利用している翻訳支援ツールのコメント欄(申し送り事項など)を最終版のドキュメントに自動で書き写すシステムです。

これらは、自分が「こういうふうに動いてほしい」という命令を生成AIに渡してコーディングさせ、その結果からデバッグを繰り返して作り上げています。最終的には、会社の資産として皆が使えるようにしたいと思っています。


-生成AIを使いこなされていますね。翻訳業と生成AIの未来についてはどのように考えていますか。

大きく2つあると思っていて、まず、AIが生成したコンテンツ自体に人間が付加価値をつけることが必要だと思っています。最近取り扱うことが増えてきた「機械翻訳+ポストエディット」という手法がそれです。AIのスピードと人間の精度の高さのいいとこ取りで、今後は避けて通れない道筋だと思います。 もうひとつは、むしろ「人間が翻訳した」という事実に価値が出てくると思っています。AIの精度はどんどん上がっていますが、それでも人間が制作すること自体の意義は残り続けるはずです。「そこに人間の意志が介在している」という過程に意味を見出し、その価値を提供できる立場でありたいと思っています。


弱点を知って強みに変える

-2024年度に売上、および取り扱い案件数で全社トップと聞きました。ずばりその秘訣は何でしょうか?

自分ではまったく実感がないのですが......(笑)。任されたことをかたちにしようと必死にやってきて、年度末にあらためて数字を見たら「こんなにやっていたんだ!」と自分自身びっくりしている感じです。比較的規模の小さな案件が多かったので、たくさん回すことで鍛えられた面はあると思います。

-素早い行動が鍵になりそうですね。

そうですね。ただ、実は行動の速さで言うと苦手な方なんです。今でも「もっと速く動いていれば」と反省することが多々あります。「なぜ速くできないんだろう」と考えた時に、新しい物事に取り組むことに対して恐れを感じていることに気づきました。尻込みをした結果、動きが遅くなっていると。今はそれを積極的に直そうと努力しています。もっと経験を増やして、むしろその慎重さを強みにできるくらいまで鍛えていきたいですね。

-PM以外にも社内で幅広く活躍していると聞きました。

社内の制作会議の進行役をやっています。ただ議事を進行するだけではなく、最近は「もう少し自分の色を出してもいいのかな」と思って、積極的に発言するようにしています。

売上増進プロジェクトも担っていて、先ほどお話したAIツール開発もその一環です。社内利用にとどまらず、最終的には外販を目指しています。ツールそのものの販売だけでなく、ニーズに合わせたカスタマイズやメンテナンスを含めたビジネスを構想中です。

さらに最近では後輩が増えてきて、教える立場になることが多くなりました。そのなかで痛感しているのが、「作業だけを単純に教えても意味がない」ということです。PMの仕事と一緒で、後輩に物事を教える時にも、そこにある背景や理由をちゃんと教えられるように意識しています。そのために、自分自身の仕事でも一つひとつ意味を持たせることを大事にしていきたいと思っています。


-周囲への向き合い方にも坂野さんらしさを感じます。それでは最後に、今後の目標を教えてください。

まずはPMの仕事をブラッシュアップしつつ、未経験の仕事......たとえば通訳の案件やポストエディットの手法など、知識の引き出しを増やしていきたいです。スキルとしては、プロジェクトの設計能力を高めたいと思っています。初めて担当するタイプのプロジェクトでゴール(目標)がブレてしまうという苦い体験があったので、ゴール設定時から必要なプロセスを論理的に設計できるようになりたいです。それができるようになれば、先ほどお話した弱点である新しい物事への尻込みも減るはずです。コンサルタントの方に勧められた本を読んで勉強しようと思っています。


-本日は貴重なお話をありがとうございました。


プロフィール

坂野 由羽太(さかの ゆうた)

翻訳事業部プロジェクトマネージャー

山形県出身。趣味は、ゲームとドライブ。ゲームは物語の世界に没入できるRPG、特に行動の自由度が高い海外のゲームが好き。ドライブはマニュアルのコンパクトスポーツカーに乗り、自宅近くの箱根などでドライブを楽しむ。スペイン語の勉強と筋トレも毎日欠かさず続けている。

私の1本の映画

『カーズ』(2006年、アメリカ)
ピクサー・アニメーション・スタジオ制作の擬人化したクルマを中心に展開するストーリー。クルマ好きからハマり、シリーズが進むごとに主人公が歳を重ねる部分を自分の成長に当てはめて共感している。人生に深く関わった映画と言う。

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