社員インタビュー

2016年1月

社員インタビュー 馬場 浩昭

事業部長として、アークの翻訳事業を引っ張る馬場浩昭。お客様のニーズを的確に捉え、求められる品質の翻訳を提供することはもとより、アークの他の事業部とのコラボレーションで新しいサービス展開の中心人物ともなっている、馬場の背景に迫ります。

ソフトウェアのローカライズ、マニュアル制作で現在の基礎を築く

−IT業界出身とのことですが、どのようなご経験をされてきたのでしょうか?

IT系企業で2社勤めました。アメリカ製のソフトウェアを日本語にローカライズして販売する企業では、エンジニアだけでなく、マニュアルの編集やデザイン、版下の制作、写真撮影等も担当していました。コンシューマ向けのソフトウェアを扱う企業でも、マルチメディアという言葉が流行った時期でもあり、吹き替えの立ち会いなどスタジオ収録にも関わりました。

−翻訳との関わりはマニュアルの制作がきっかけなんでしょうか?

はい。そうですね。MS-DOSの時代、というと歳がばれますが(笑)まだまだIT化が進んでおらず、コンピュータ関係の翻訳ができる人は限られていましたので、知り合いに翻訳を依頼して、上がってきたものを確認するだけで精一杯でした。
お客様からは、日本語が分かりにくいから英語版を持ってきてほしいと言われ、2000ページくらいのマニュアルを半年ほどかけて改訂版を作成しました。改訂後、わかりやすくなったとお客様に喜んでいただけたのが、きっかけになっているかも知れません。
また、電話サポートを担当した経験から、想像力を働かせながら問題を切り分け、ひとつずつ解決していくスキルを身につけました。これが、意外に今とても役立っています。

お客様の求める翻訳品質を正しく捉えて翻訳に反映する

−思い出に残る仕事はありますか?

そうですね、本当に沢山ありますが、大手メーカー様の社外向け技術情報誌の翻訳をしたことがあるのですが、ある記事について、原稿を作成した技術者と直接話をしてほしい、と広報の方から依頼を受けました。そこで、お電話で1時間くらいでしょうか、文章に込めている思いをじっくりと聞いて、翻訳者に伝えました。できあがった翻訳は「日本語よりも分かりやすくなった」とお褒めの言葉をいただきました。お客様の話を聞くことの重要性を知った仕事です。

−いい翻訳のためには、お客様の思いをキャッチしないといけないと。

その通りです。思いというか、翻訳後の文書をどうやって使うのか、という情報を知ることだと思っています。通常は一カ月ほどが必要な50〜100ページの翻訳を一週間で仕上げる場合もあります。納期が厳しい場合、読者は誰かといった、用途や内容、目指す品質などの情報を正確に把握し、スケジュールや修正の程度までをできるだけ正確に予測する必要があります。複数の翻訳者が関わるので、用語の統一も必要です。こうしたことを最初に決めて、翻訳が上がったら次に何をするかを先読みして全体計画を立てないと、後手に回り、結局翻訳の品質を大きく左右することになりますから。

お客様の課題を解決する翻訳の枠を超えたサービスを展開

−お客様の求めるものをどう探るか?

私たちは、お客様からいただいた原稿を翻訳するわけですが、お客様の目的は翻訳ではありません。翻訳したものを利用して、何かをしたいわけです。Webサイトの翻訳なら英語で海外のマーケットを広げたいとか、海外の顧客に何かをしたいとか、報告書であればより正確に伝えたい、などの課題があります。それを意識して、目的を聞き出すことが基本です。

−お客様の課題を見つけるコツはあるんでしょうか?

例えば「どういうふうにしたいですか?」とダイレクトに聞いてみるのも方法のひとつです。また、いろいろな質問を繰り返すことで、こちらの視点も広がっていき、課題が明らかになることが多いように思います。課題をさぐり、整理して伝えるといったスキルは、IT系企業で働いていたときの経験が活きていると思います。

環境の変化に対応できる課題解決型のサービスを目指して

−翻訳事業部の目指すところはなんでしょうか?

ひとつは、顧客満足度を上げていくこと。お客様ごとに満足のレベル、要素は違いますから、それを満たす仕事をしていきたいですね。
ただ、翻訳のニーズはだいぶ変わってきています。以前は英語から日本語の翻訳が多かったのですが、今は日本語から英語の翻訳が増えました。お客様にも英語に強い方が増えてきているように感じます。今後は、もしかすると英語を訳す必要はなくなるのかもしれません。こうした変化についていける体制を常に考え、サービスの幅を広げていきたいです。

−馬場さん個人としてはどんなことを目指しますか?

翻訳の範囲を超えたサービスをもっと展開していきたいですね。アークのWebチームとのコラボでお客様のWebサイトの多言語化をしていますが、こうした翻訳プラスアルファの新しいサービスをもっと開発していきたいです。
課題解決型の仕事は、面白いですし、やりがいもあるので、お客様のご依頼に自分らしいスパイスを少し加えた仕事も、もっとしていきたいですね。

社員の目から見た馬場の人物像

「サーバーも、バックアップも、カメラも、一番の相談相手!」
「飲めないけど飲み会には全出席する付き合いのよさ」
「海外での社員旅行で、土産物売りが大勢の中から馬場さんを選んで声をかけにくる」

プロフィール

馬場浩昭(ばば・ひろあき)
翻訳・ローカリゼーション事業責任者/営業担当マネージャー。趣味は写真。1児の父。

私の1本の映画

ロン・ハワード監督『アポロ13』(Apollo 13, 1995年, アメリカ)
飛行機や宇宙船など、エンジニアの好きそうなものが案の定好きです。人間ドラマも好きなのですが、それだけだと物足りないんですね。『ライトスタッフ』も『トップガン』も好きですが、メカと人間のかかわりの規模の大きさ、ドラマの深さでこれを選びました。映画に深い感動を求めるほうではないのですが、これは名作だと思います。