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後編の公開に合わせまして、改めて前編をご案内します。一連の考察として、あわせてご一読ください。
多様な文化的背景をもつ同僚や取引相手との協業が日常になりつつある昨今。前回ご紹介した事例を読んで「今まさに」「あるある」と身近に思われた読者もいらっしゃると思います。自らを知り、他者との違いを認識して、その違いを尊重しながらより良い結果となるように課題の解決にあたる。これが理想とはわかっていても、文化は目に見えない曖昧なもの。どうやって工夫をすれば良いのでしょうか。
その糸口となる、新しい「見方」を提供するのが、ホフステードの「国民文化6次元モデル」です。モデルについては多くの文献がありますので、ここでは簡単に「大規模な調査の結果を統計処理して、各国の文化を6次元の相対的な数値で表すモデル」とご紹介します。6つの次元は、「権力格差(PDI)」「集団主義と個人主義(IDV)」「男性性と女性性(MAS)」「不確実性の回避(UAI)」「短期志向と長期志向(LTO)」「人生の楽しみ方(IVR)」です。関心のある方は文末に添えたリンク先を辿ってみてください。
モデルが示す日本文化の特徴として、まず注目したいのは「不確実性の回避(UAI)」性向の高さです。将来のリスクや曖昧さを嫌い、事前にできる限りの準備や確認をしておきたいと考える傾向が強いことを示しています。スウェーデンの取引先が驚いた細かいデータ要求は、まさにこの特性の表れと言えます。対するスウェーデンはというと、世界でも相対的にUAIが低い国です。「まずはやってみて、だめなら軌道修正」という彼らの常識と照らし合わせると、よもや日本側が「不確実性を最小化することでプロジェクトを確実に成功させたい」と思っているとは理解できなかった、ということになります。
次に「集団主義と個人主義(IDV)」を見てみましょう。中東や南米、ロシアや中華系の国々ほどではないものの、日本は比較的集団主義寄りに位置付けられます。和を乱さず合意を大切にするため、会議の場では個人の意見を即座に主張するよりも、場の空気を読み、全体の調和を保つことを優先しがちです。一方、スウェーデンは個人主義的であり、率直な意見交換を通じて合意を形成していくスタイルを重んじます。この違いが「なぜ日本側は会議で発言しないのか」という困惑を生んでいたのです。
上では2つの別々の次元を使って紐解いてみましたが、このいずれの事象にも、「権力格差性向(PDI)」や「男性性・女性性(MAS)」等、6つの次元の全てが関わっており、1つの次元では説明しきれない奥深さがあります。また、このモデルはあくまでも、問題を解決する糸口を与えるに過ぎず、糸口が見つかったからと言って問題を解決できるとは限りません。それでも、日本人が異文化環境で働く際、文化の特性をどのように活かし、また調整すればよいのかについて、例えば次のようなヒントが得られます。
•不確実性回避性向の強さを活かす
綿密な準備やリスク管理は、日本の強みです。国際プロジェクトではその点を前面に出し、事前に資料を整理して貢献すると同時に、これらが決して不信感によるものではないことを意識して伝えると良いでしょう。
•個人主義アプローチの練習
会議で自分の意見を簡潔に述べる準備と練習を心がけましょう。まずは「このように理解したが、それで合っているか」という発言をするだけでも「関心が無い」「不信感を持っている」といった誤解を減らすことができます。
最後に強調しておきたいのは、文化は相対的なものであり、優劣は無い、ということです。ただ「違い」は間違いなく存在し、その違いがトラブルをより複雑にしている可能性があります。ますますグローバルになっているビジネスの現場で、人や集団の間に起こる事象には国民文化のみならず、組織文化や個人差も大きく影響します。ホフステード・モデルは万能ではありませんが、複雑に絡み合った紐を解く一助となる、と覚えていただくと良いでしょう。
間瀬 陽子 プロフィール
ホフステード・インサイツ・ジャパン シニアファシリテーター
株式会社アークコミュニケーションズ社外取締役
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