翻訳を通して「日本語」を見つめ直す | 翻訳会社ブログ

日本語へ翻訳するときのポイントと注意点

翻訳を通して「日本語」を見つめ直す

翻訳と日本語

グローバル化に伴い、今や翻訳が必要となる範囲は非常に多岐に渡っています。翻訳には、対象言語の知識だけでなく、的確にそれを表現するための日本語力も求められています。日本語の知識が豊富でなければ、適切な翻訳はできません。ここでは、他言語から日本語に翻訳する際に知っておくとためになるポイントをご紹介しましょう。

語彙数の多い日本語

一般的なコミュニケーションに必要とされる単語数は、他の言語に比べて日本語が大変多いという事実をご存知でしょうか。5,000語の基本語彙で、英語での日常会話は93.5%、フランス語だと96.5%をカバーすることができますが、日本語の会話は81.7%しかカバーすることができません。日本語の会話を90%カバーしたいと思ったら、なんと10,000語もの基本語彙を習得する必要があるのです。

しかし、カバー率の高い言語が外国語学習者にとって学びやすいかといえば必ずしもそうではありません。このような言語はそれぞれの単語の意味が多義的であるという特徴があるのです。それに比べて、日本語の語彙は数は多いけれどそれぞれの語の抽象度は低いと言うことができます。

つまり、英語やフランス語といった単語の抽象度が高い言語から日本語へ翻訳する際は、文脈から単語の意味を正確に読み取り、それに対して適切な日本語の単語を選定する必要があるのです。

単語の意味を読み取る際に気を付けること

上記のように、他言語の抽象度の高い単語の意味を読み取るためには、以下のポイントを心に留めておく必要があります。

1. 基本的な意味

これは、その単語の核となる意味を指します。例えばgoodという単語の基本的な意味は「高品質な」「肯定的な」「一般的に価値が認められている」といったものです。

2. 言語使用域

使用される場面によって意味合いが変わる単語と、意味合いは同じでも使用される場面が異なる単語があります。
まず前者の例としては「magnitude」という単語が挙げられます。この単語は大抵の場合「大きさ」といった意味で使用されますが、数学においては「絶対値」という意味を持つのです。また、ビジネスにおいて「債務者」という意味を持つ「debtor」という単語は、神学では「罪人」という意味になるのです。
次に後者の例ですが、例えば「~を我慢する」という意味で使用される「to put up with」という熟語ですが、これは主にカジュアルな文脈で使用されます。逆にフォーマルな場面では、代わりに「tolerate」という単語が使用されるのです。

3. 比喩的意味

それまでと異なる新しい形で使用されることにより、比喩的な意味合いを獲得した単語があります。機械科学やビジネスの用語に、よくこのような比喩的意味が使用されます。
例えば、「niche」という単語は本来「壁面のくぼみ」という意味を持つ単語ですが、ビジネスの文脈で使用されると「隙間産業」という意味で使用されるのです。

4. 暗示的意味

本来の意味に加えて、言外の含みを持つ単語があります。
例えば、決まった住居を持たない人のことを指すとき、「homeless」という単語に比べて「vagrant」という単語は否定的なニュアンスを持っているので注意が必要です。また、「handicapped」 「black」「blind」といった単語の持つ否定的なニュアンスについても覚えておく必要があります。

まとめ

他言語の抽象度の高い単語の意味を正確に読み取り、日本語の様々な語彙の中から適切な物を選び取るという作業は、決して簡単なものではありません。そのため、翻訳をするためには、対象言語の知識はもちろんですが深い日本語の知識も不可欠なのです。

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