日本の国民的スポーツと言っても過言ではない「野球」。日本のプロ野球はもちろん、近年はアメリカのメジャーリーグでも日本人選手の活躍が目覚ましく、史上初の「50-50」を達成した大谷翔平選手を筆頭に、多くの日本人プレーヤーに注目が集まっています。
ところで、野球には他のスポーツにはない特徴があることをご存じでしょうか?それは、日本語に翻訳された用語が多く使われていることです。今回は、野球用語の翻訳に深く関わった二人の人物についてご紹介していきます。
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日本の国民的スポーツと言っても過言ではない「野球」。日本のプロ野球はもちろん、近年はアメリカのメジャーリーグでも日本人選手の活躍が目覚ましく、史上初の「50-50」を達成した大谷翔平選手を筆頭に、多くの日本人プレーヤーに注目が集まっています。
ところで、野球には他のスポーツにはない特徴があることをご存じでしょうか?それは、日本語に翻訳された用語が多く使われていることです。今回は、野球用語の翻訳に深く関わった二人の人物についてご紹介していきます。
日本に「野球」が入ってきたのは明治維新後、1800年代の終盤頃からとされています。当時はさまざまな近代スポーツが、日本を訪れた外国人たちによって伝えられ、普及していきました。
この時、外国語が用いられたスポーツ用語の多くが日本語に翻訳されましたが、中でも野球の用語の翻訳については、二人の人物が重要な役割を果たしたことが知られています。教育者の中馬庚と、俳人・歌人の正岡子規です。
英語の「Baseball」を「野球」と最初に翻訳したのは中馬庚で、1894年のことでした。当時、第一高等中学校の選手として活躍していた中馬庚が、部史を作成するにあたって「野原で行う球遊び」という意味から、「野球」という訳語を考案したとされています。
一方、中馬庚よりも先に「野球」という語を用いた人物が、正岡子規です。1884年、正岡子規は入学した東京大学予備門で野球に出会い、一気にのめり込みます。正岡子規の野球愛はとても深く、1890年に随筆『筆まかせ』にて、幼名の「升(のぼる)」にちなんだ「野球(のぼーる)」を自身の雅号として用いたほどでした。
正岡子規が雅号の「野球」を用いたのが1890年であったことから、「"Baseball"を"野球"に翻訳したのは正岡子規」という勘違いがなされることがあります。実際には、正岡子規の考えた「野球」はあくまで雅号として偶然に生まれたもので、「Baseball」の翻訳ではありません。「Baseball」を「野球」に「翻訳」したのは1894年の中馬庚、ということになります。
中馬庚と正岡子規は、野球で使われる用語も日本語に翻訳しており、それらは現在でも使われています。
外国語のカタカナ読みの用語が多いサッカーやバスケットボールとは異なり、日本語に訳された用語が多く用いられるのは、野球の特徴のひとつだと言えます。
【中馬庚が翻訳したとされる用語】
【正岡子規が翻訳したとされる用語】
興味深いのは、ポジションの「ショート」にあたる「shortstop」を、正岡子規は英語の意味からそのまま「短遮」と訳しているのに対して、中馬庚が「遊撃手」と訳した点です。これは、ショートがあちこちを動き回るポジションであることから「遊軍」を由来に考えられた、という説が有力視されています。
ちなみに、中馬庚自身は遊撃手ではなく名二塁手として名を馳せたプレーヤーでした。
現代の翻訳者や翻訳会社が行う翻訳でも、原語の意味をそのまま訳すのではなく、伝わりやすさを考慮して別の言葉や表現に変えることがあります。言葉の受け手を考慮した翻訳の工夫が、昔から存在していたことがうかがい知れます。
中馬庚と正岡子規。現代の日本野球に大きな影響を与えた両名は、日本の野球の発展に大きく貢献した人物を讃える「野球殿堂」に殿堂入りしています。
言語の翻訳時には、国ごとの文化的背景の違いを考慮し、翻訳の仕方を工夫することが重要です。
例えば、日本では投手が投げる球の速さ(球速)の単位は「km/h(キロメートル)」で表現しますが、アメリカでは「mph(マイル)」で表現します。大谷翔平選手や佐々木朗希選手が記録した球速「時速165キロ」をアメリカ英語に訳す場合には「102.5MPH」とすることで、ネイティブにも伝わる翻訳になります。
このような文化的な背景の差異を考慮して翻訳するためには、翻訳先言語のネイティブ翻訳者による翻訳が有効です。ネイティブ翻訳者であれば、ネイティブの読者に伝わりやすいよう言葉遣いや表現を工夫することができます。
アークコミュニケーションズには、合格率5%という厳しいトライアルに合格した200名以上のネイティブの翻訳者が在籍しています。
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