深い理解力とセンスが要求されるコミックローカライズ│翻訳会社ブログ

コミックローカライズの必要性と役割

深い理解力とセンスが要求されるコミックローカライズ

コミックローカライズとコミック翻訳

コミックやアニメは、日本が世界に発信する"Japan POP Culture"です。それにより"Cool Japan!"のイメージが確立され、世界中の熱い視線が日本へ注がれています。

最近のデジタル化の流れによって、翻訳されたコミックが世界に向けてオンラインで配信されるなどの海外展開も始まっています。しかし、もともとの作品は日本人の読者を想定して描かれたものが多いでしょう。したがって、翻訳の際には、対象言語の読者が同じように楽しめるような調整が必要になります。

"ローカライズ"とは?

ローカライズとは、ある国を対象に作られた作品などを、ほかの国でも理解できるように翻訳し調整することです。漫画であれ、製品マニュアルであれ、書かれた国の文化的背景に基づいた内容が多く含まれています。それらを、ただ翻訳するのではなく、それぞれの国や地域の習慣、文化背景を考慮して、適切なものに加工するのが"ローカライズ"です。

たとえば、コミックの中で「生麦生米生卵!」というセリフがあるとします。これを「Raw wheat, raw rice, raw egg!」とするのは直訳です。英語の早口言葉の王道である「She sells seashells by the seashore...」とするのが、適切なローカライズです。

コミック翻訳のプロセス(日英翻訳の場合)

日本のコミックの英訳には、大きく3つのプロセスが存在します。

1. 内容などをふまえて選定された翻訳者による翻訳作業

2. 原文が正しく翻訳されているかをチェックする校正作業

3. 対象国(北米、イギリス、オーストラリアなど)の読者を想定したローカライズ作業

この3つのプロセスをもって経て、最終形へと仕上げられていきます。たとえば、日本人が翻訳すると不自然な英語になりがちなので、英語ネイティブが校正からローカライズを担当します。逆に、英語ネイティブが翻訳をすると、意味の取り違えが起こりがちになるため、日本人校正者によるチェックが不可欠です。このような慎重かつていねいな作業の継続が、日本のPOPカルチャーを支えています。

深い理解とセンスがものをいうコミックローカライズ

コミックでは、くだけた口語やカジュアルな略称が使われるほか、ダジャレやそのときの流行語、登場するキャラクターならではの言い回しも数多く登場します。また、日本語ならではの擬音語・擬態語も有効に使われています。よって、ローカライズには、翻訳以上の深い理解力が要求されることになります。炭酸ソーダに対する「シュワシュワ」「チリチリ」「ジュワー」は、英語にすると、どれも「Fizz...」となります。日本人にとっては自然で便利な表現方法ですが、翻訳の際には注意が必要となります。そして、もうひとつの重要ポイントは、コミックのおもしろみを支える微妙なニュアンスを、適切に翻訳言語にのせていくセンスです。最適なワードセレクトには、語学センスだけではなくユーモアのセンスも大切だと言えるでしょう。

ローカライズが日本のPOPカルチャーを支える

登場人物のセリフや呼称などの本来の意味合い、作品の持つ空気感をいかにうまく翻訳物に反映させることができるかが腕の見せ所となるローカライズ作業。優れたローカライズが導く、日本のPOPカルチャーのさらなる海外発展に注目していきましょう!

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