部下を叱りますか? 怒りますか? │ アークコミュニケーションズ翻訳会社の社長ブログ

マリコの経英~楽しく正しく新しい翻訳会社の経営「部下を叱りますか? 怒りますか?」

部下を叱りますか? 怒りますか?

部下を叱るか?怒るか

人材育成に必要なポジティブ/ネガティブフィードバック

フィードバックは成長の糧(かて)と信じているので、仕事の上でスタッフにはできるだけこまめにさまざまなフィードバックを返したいと思っています。

「フィードバック」とは生物学や電子工学で使われている用語ですが、そこではポジティブフィードバック(正帰還)とネガティブフィードバック(負帰還)という使われ方をします。人材育成業界でも同じくフィードバックを、ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックの2つに分けることがあります。

Aという行為をした結果としてBが生まれたとします。結果Bから判断して、Aという行為を促すことをポジティブフィードバック、Aを抑制すべきならネガティブフィードバックと言います。成長には、どちらのフィードバックも大事です。

ポジティブフィードバックの手法としては、「認める」「褒める」などがあります。過去、「日本人は褒めるのが下手」と言われてきましたが、昨今では認める重要性が認識され、教育の現場でも仕事の現場でも、これが改善されてきたのではないかと思います。

一方、ネガティブフィードバックの手法としては、「注意する」「叱る」「怒る」などがあります。ハラスメント意識の高まりもあり、たとえ相手の成長を促す気持ちがあったとしても、現代では伝え方が不適切だと問題視されます。このため、ネガティブなことを伝えるスキルも求められるようになりました。

「叱る」より「怒る」ほうが効果的な場合

さて、実際にネガティブフィードバックを返す際に、よく「叱る」ことと「怒る」ことの違いについて問われることがあります。「叱る=自分の感情はぶつけず、理路整然と(相手のことを考えて)欠点を注意する」「怒る=自分の感情をぶつけて(相手のことを考えずに)欠点を注意する」というような説明を聞きます。

昨今、ビジネスの世界も子育ての世界も、「怒る」ではなく「叱る」ことが主流です。では、なぜ「怒ってはいけないのか?」

子育ての世界では、子供が命の危険にさらされた時には「叱る」のではなく「怒る」ほうが大事だと唱える人がいます。たとえば、子供が車道に飛びだした時は、反射的に怒らなければならないと。「これはしてはいけないんだ」ということを子供の本能に訴えかけるには、怒ったほうが効果的と言うのです。

そういえばその昔、ある企業の社長が、毎朝鏡に向かって「嬉しい顔」や「怒った顔」を俳優さながらに練習しているとおっしゃっていました。言葉ではなく表情で、会社でやっていいことややっていけないことを伝えるためだそうです。これは、叱っているのでしょうか? 怒っているのでしょうか?

さて、振り返ってわが身のこと。アークコミュニケーションズのミッションは「お客さまの思いや本質をわかりやすく世界に伝える」ことですから、社長としては、言葉を尽くしてわかりやすく、社員にネガティブフィードバックを伝えたいといつも思います。

一方で親としては......。
息子はいつもだらしなくいろいろなところでカギを置きっぱなしにするので、事あるごとに注意してきましたが、とうとう先日、家の鍵をなくしてしまいました。これこそ叱るのではなく、怒らなければいけないと思い、語気を強めて「鍵を拾われて泥棒が入ったら、どうするの!」と言いました。今のところ、ありがたいことに泥棒には入られていませんが。

怒鳴り散らさない英語圏

さて、英語では、「叱る」と「怒る」をどう表現するのでしょうか。そもそも文化的に、「ビジネスで怒ってはいけない」というようなルールがあるのでしょうか。

「叱る」は、「scold」または「tell (someone) off」と言います。

「怒る」を辞書で調べると、「get angry」が先に出てくると思いますが、実は2種類の怒り方があります。「get angry」は単に「怒る」ことですが、「怒鳴りつける」ことは、「yell (at someone)」で、「キレる」ことは「explode」(爆発的に怒る)か「lose one's cool」(冷静さを失う)と言います。インフォーマルな言い方だと、「fly off the handle / wall」または「go ballistic」(かっとなる)といった面白い表現もあります。

ただ、英語圏では労働法や職場での人間関係が日本と異なるため、「怒鳴り散らす」ことはあまりありません(裁判になるから?)。むしろ、罪悪感を覚えさせるような上手い怒り方、諭すようなやり方が優先されるのかもしれません。例えば、「I know you are better than that.」というように、「君らしくないけど、どうしたの?」と失敗の理由を聞き、そこから端的に問題点を指摘し、解決策を出す、というような方法が多く採られます。

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