
イタリア語は、イタリア、スイスなどの公用語ですが、使用される地域は、ヨーロッパ各地、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、オーストラリアなど世界各地に点在しています。ネイティブスピーカーは6千万人ほどいます。
インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属し、フランス語、スペイン語、ポルトガル語などと同じ「俗ラテン語」から分岐しているため、これらの言語と共通点が多く見られます。(俗ラテン語から分岐した言語を「ロマンス諸語」と呼びます)
一方で、イタリア語はほかのロマンス諸語と比べ、言語が成立した13世紀以降、大きな変化を受けず長くその姿を保っているという特徴がみられます。
これは、ラテン語がイタリア半島で起こったローマ帝国やキリスト教(カトリック)の公用語としてヨーロッパ各地に広がり、公文書および学術書物の言語としても長く使われてきたこと。さらには、ルネサンスの先駆者だった詩人ダンテ・アリギエーリが、ラテン語の一方言であるトスカーナ方言を使って「神曲」を書いたことでイタリア語が成立し、現在に至るまで、絵画や哲学、建築、音楽などの芸術・文化をイタリアがリードしてきたことなどに由来します。
現在も、芸術やファッションなどの分野でイタリア語が浸透しています。身近なところでは、サッカーのチーム名称に使われる「verdi(ヴェルディ)」「gamba(ガンバ)」「bel mare(ベルマーレ)」、アメリカの大手コーヒーチェーンのサイズ表記「grande(グランデ)」もイタリア語です。